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IHEとは:ITI (IT Infrastructure) 領域

ITI(IT Infrastructure)領域とは

臨床分野のワークフローの実現の基盤となるプロファイルを集めたものです。例えば、セキュリティ基盤、患者 ID の参照などです。また、他の分野に拡張が可能な基本的な実装の基盤を構築しています。例えば、施設間での医療情報連携(HIE: Health Information Exchange)基盤や治験データ収集などのためのフォームデータの検索の仕組みなどです。図28にITIの統合プロファイルを示します。
ITIの統合プロファイル
【 図28:ITIの統合プロファイル】

セキュリティ基盤

正しいユーザーかどうかは、PWP(職員の登録簿)、ユーザー認証については、XUA、アクタ間での相手認証は、ATNA(監査証跡とノード認証)、誰がアクセスしたかの監査証跡は、ATNA、改ざんはないかなどデータ完全性には、CT(時刻の整合)、及びATNA、あるいは、DSG(ディジタル署名)が用いられ、データ秘匿(暗号化)については、ATNA などの統合プロファイルを利用することができます。

医療情報連携基盤

医療機関 A、B、C、D があり、患者はA機関で救急の治療を受け、B機関に入院、C機関で長期療養を行い、近隣の診療所 Dで診療を受ける場合、診療所 D の医師は、患者から過去の治療経緯を聞くだけではなく、医療機関 A、B、C から必要な医療情報 (ドキュメント)を参照したいと考えます図29

そこで、合意を形成したコミュニティ(アフィニティドメイン)の内部に情報の所在管理センタ (レジストリ)を設置し、実際の情報は提供する各医療機関が保管 (リポジトリ)しておき、患者の情報の所在がわかれば、そこから情報をいつでも引き出せる(コンシューマ)仕組みをつくることができます。

XDS統合プロファイルは、所在管理台帳(レジストリ)、提供共有情報の保管(リポジトリ)というアクタで情報共有する基盤を構築しています。その他ポイントツウポイントの通信で相手にドキュメントを提供する方法(XDR)や可搬媒体によってドキュメントを届ける仕組みもあります(XDM)。

施設間の医療情報連携基盤
【 図29:施設間の医療情報連携基盤】

患者情報参照基盤

図30に、患者 ID の相互参照方法を示しています。

患者 ID は、各医療機関の患者 ID の提供元 (患者 IDソース)によって中央にある患者 ID相互参照マネージャに登録され管理されています。マネージャは、各医療機関からの患者 ID を相互にマッピングします。各医療機関の患者ID利用者(コンシューマ)はマネージャに問い合わせ、自病院の患者IDから医療連携するコミュニティ全体のIDを知ることができます。このプロファイルは、患者ID相互参照・統合プロファイル(PIX)と呼ばれています。また、患者名、生年月日などの基本情報から、患者 IDを知ることのできる統合プロファイル(PDQ)があります。

施設間の患者情報参照基盤
【 図30:施設間の患者情報参照基盤】