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IHEとは:病理・臨床細胞領域

病理・臨床細胞領域の統合プロファイル

病理・臨床細胞領域のIHE活動は、2005年9月からは米国、欧州、日本が協力して推進しています。病理学統合プロファイルでは、他分野と同様に、標準的なワークフロー(WF)を設定しており、医療情報システムへの患者情報登録から、オーダ発行、検査実施、各種病理画像収集と保存、レポート作成と保存、それら結果の端末への表示、の一連の業務フローを実行するためのアクタとトランザクションを指定しています 図32 図33
病理学標準的ワークフロー
【 図32:病理学標準的ワークフロー】
病理・臨床細胞領域における手術材料・生検材料の病理標本の構造情報
【 図33:病理・臨床細胞領域における手術材料・生検材料の病理標本の構造情報】
現在まで、病理部門システム(APIS)と病院情報システム(HIS)などの関連システムが容易に接続できるようにするガイドラインとして、病理学テクニカルフレームワーク(PTFW:Pathology Technical Framework)が作成されてきました。病理学テクニカルフレームワーク(PTFW)は下記のURL から入手できます。

< 関係業務 [ アクタ名 ] >
●組織診 [SP : Surgical Pathology]
●細胞診 [CP: Cytopathology]
●剖検 [CA: Clinical Autopsy]
●研究 [RP: Research Pathology
      (Tissue Micro Array の一部)]

今後の展開

病理部門におけるデータ交換規約と、画像格納のためのDICOM 規格の標準化は実用に向けて進行中です。
またスライド上の標本全体をデジタル化する装置(バーチャルスライド)の効率的なファイル方法も 現在 DICOM WG-26 でその画像の標準化が行われています。バーチャルスライドの画像は数ギガバイトにも及ぶ巨大な記憶容量を必要とするため、その保存、検索、表示には工夫が求められています。WG-26には、1枚のバーチャルスライド画像を1辺が1千〜4千画素のタイル画像に分割して保存する方法が提案されています。

その際には観察に必要と想定される様々な倍率の画像も予めタイル画像に分割してピラミッド状に用意することで、効率よい検索や表示を実現しようとする方法です。 バーチャルスライド画像のDICOM標準化により、ユーザーは自分の要求に最も適したスキャナ・画像サーバ・ビューワを選択することが可能となります。

また病理領域画像のデジタル化・標準化の進展により、放射線画像、内視鏡画像、病理画像等を平行表示が可能となります。これにより、放射線医、病理医、内視鏡医、などの画像診断において新たな利用方法の広がりが期待されています。