これらをサイト別に見ると手術室のシステム、救急のシステム、ICU/CCU におけるシステム、病棟システム等が該当します。さらに他のドメインとも合わせて病院内全てがカバーできることとなります。これらを通して患者の安全管理を充実させることも考慮します。さらに、PCD は救急車やクリニック(診療所)レベルから家庭と言う範囲までカバーするPHD(Personal Health Device)と言う概念とも整合を取れるよう考えています図24。
PCDドメインでは各装置どうしの相互接続に関するDEC(Device Enterprise Communication)というプロファイルが基本となります。さらにアラーム管理として ACM(Alarm Communication Management)、 輸液ポンプ管理に関する PIV(Point of care Infusion Verification)等が主たる統合プロファイルとなります。その他、装置間で扱うパラメータや単位・ 有効桁等を調整する RTM(Rosetta Terminology Mapping)、波形データの管理のためのWCM(Waveform Communication Management)、埋め込み機器の管理 IDCO(Implantable Device Cardiac Observation )や装置の管理 MEM(Medical Equipment Management)等があります。
DECプロファイルは、装置からデータを出力するDOR(Device Observation Reporter)というアクタとデータを受信するDOC(Device Observation Consumer)というアクタが基本となります。DOR からDOCへのデータ出力頻度はDOF(Device Observation Filter)で指定することになっていますが、DOF に関してはDOR か DOCに含める方向で検討中です。この他にどの患者さんを登録管理するかというSPD(Subscribe to Patient Data)というアクタや装置で計測されたデータと患者 IDとの紐付けとしてPIB(Patient Identity Binding to Device Data)というアクタがあります。
アラームデータの送受信はDECプロファイルでのトランザクションを利用し、アラームの出力はAR(Alarm Reporter)と言うアクタとなり、そのデータをAM(Alarm Manager)で管理し、AC(Alarm Communicator)でメディカルスタッフに伝達します。そして履歴管理等はAA(Alarm Archiver)で行います。
ACMプロファイルで特徴的なのは、アラームの管理と言っても患者アラームだけを管理するのではなく、患者に使用される装置のアラームも管理します。