放射線治療計画のためのワークフローとしては「放射線治療計画ワークフロー(BRTO)」と「放射線治療のためのマルチモダリティイメージの登録(MMR-RO)」があり、放射線治療実施のためのワークフローとしては「放射線治療実施時ワークフロー(TRWF)」があります。 「放射線治療スケジューリングワークフロー(ESI)」は放射線治療依頼と放射線治療の照射スケジューリングのためのワークフローです。 各々のプロファイルのワークフローを簡単に説明します。
このプロファイルでは、放射線治療計画装置を機能によって4つのアクタとしています。輪郭情報を作成する放射線治療計画装置、照射計画を作成する放射線治療計画装置および、線量分布を計算する放射線治療計画装置で放射線治療計画情報を作成し、線量分布表示装置にて放射線治療の照射情報と線量分布の表示を行います。アーカイブは放射線治療計画情報の保存機能を持っている必要があります。各放射線治療計画アクタと線量分布表示装置アクタは、必要とする治療計画情報をアーカイブから取得します。また、各アクタで作成したデータは他のアクタが利用できるようアーカイブへ保存を行います。このワークフローを適用することで、放射線治療計画をマルチベンダシステムで行うことが可能となります図15。
放射線治療情報システムは日々の照射に関するワークリストの管理を行います。ユーザーは放射線治療装置を操作し、放射線治療の照射を実施します。まず、放射線治療情報システムで作成された放射線治療の照射ワークリストを放射線治療装置が取得します。また、取得したワークリストに関連して放射線治療情報をアーカイブから取得します。次に、ユーザーはワークリストに従って患者のセットアップと放射線治療の実施を行います。照射が完了すると放射線治療装置は放射線治療情報システムへ照射が完了した通知を行います図16。このワークフローを適用することで、放射線治療領域でも照射実施時のワークリスト管理が可能となります。
※ | 現在検討中のプロファイルで正式文書は発行されていません。 |
病院情報システムは放射線治療依頼を発行し、放射線治療情報システムでは照射スケジュールの作成と照射実施の通知を行います。 放射線治療では、治療依頼が発行された時点で放射線治療の詳細が決定していません。詳細内容が決定した段階で放射線治療情報システムが照射スケジュールを作成し病院情報システムに通知を行います。また、照射の実施が終了すると病院情報システムへ実施完了情報の通知を行います図17。
このプロファイルは日本からの提案で文書化が進められています。このワークフローにより病院情報システムと放射線治療情報システムでの情報連携が推進できると期待されています。
※ | 現在検討中のプロファイルで正式文書は発行されていません。 |