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IHEとは:臨床検査領域

臨床検査領域の統合プロファイル

臨床検査分野のIHE活動は2002年より開始され、日本でも同年 IHE-J臨床検査ワーキンググループを発足させ、国際会議に参加し提案、検討を重ねてきました。現在までに作成した統合プロファイルについて下表に示します。

臨床検査分野の統合プロファイル
種別 参照標準 略称 名称 説明
ワークフロー HL7
Ver.2.5
LTW Laboratory Testing Workflow
臨床検査ワークフロー
臨床部門と検査部門が通常行う入院・外来患者に対する検体検査業務のワークフローを扱うプロファイル。 臨床検査部門の基本的なワークフロー。
LCSD Laboratory Code Set Distribution
検査コードの更新
LTWの異なるアクタあるいはシステム間において、共通の検査コードを使用するための検査コード更新ワークフロー。
LPOCT Laboratory Point of Care Testing
臨床現場即時検査
検査部門の監督下で、手術室やベッドサイドのような臨床現場で行われる POCT 検査のワークフローを扱うプロファイル。
LDA Laboratory Device Automation
検査自動化システム
分析実行プロセスにおける、オートメーション・マネージャ(AM)と、分析機、前/後処理装置などの分析機器(LD)間のワークフロー。
LBL Laboratory Barcode Labeling
採取管準備
検体検査依頼に基き採取管(容器)等にバーコードラベルを貼る 「採取管(容器)準備システム」とのトランザクションに関するプロファイル。
コンテンツ HL7
Ver.3.0
CDA
XD
- LAB
Sharing Laboratory Reports
臨床検査結果報告書の共有
他施設へ伝達する検査結果ドキュメントの構造に関する規約。

このうちLDA、LBL統合プロファイルについては日本が中心となってまとめたものです。臨床検査の基本的な統合プロファイルであるLTW とLDA のアクタとトランザクションについて図31に示します。なお最新のテクニカルフレームワークは以下のURL からダウンロードできます。

IHE Laboratory Technical Framework Volume 1,2 Revision 2.1
   - For Trial Implementation (August 8, 2008)
 http://www.ihe.net/Technical_Framework/index.cfm
LTWとLDAのアクタとトランザクション
【 図31:LTWとLDAのアクタとトランザクション】
また、ワークフロー関係の統合プロファイルに関してはHL7 Ver.2.5を参照標準としていますが、日本語の資料としてHL7 Ver.2.5準拠のJAHIS 臨床検査データ交換規約 Ver.3.0を参照してください。
JAHIS 臨床検査データ交換規約 Ver.3.0
 http://web.jahis.jp/standard/seitei/st08-001/st08-001.htm
IHE 導入により期待される効果の一つとして、HIS(電子カルテシステムやオーダリングシステム)、LIS(臨床検査システム) どちらか一方のシステム更新の際に、システムメーカーの選択肢が増えるとともに、円滑に移行可能であることが挙げられます。また要求仕様書を作成する場合も、一般的な検体検査のワークフローについては「IHE のLTWプロファイルを適用する」と書けば済みます。IHE導入により、システム更新費用の削減が期待できます。
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