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第III編 実施内容
5.1 「PDI統合プロファイルに基づきCD-Rにて提供された他施設で撮影された画像データの取り込み」における事業成果

5.1.1 本実証により判明したこと

PID統合プロファイルでは、DICOM Part-10に準拠したフォーマットで、CD-Rの書き込み(作成)を行うが、PDI統合プロファイルでは、その他に画像を観察するための簡易画像観察Viewerなど、画像以外の同梱が可能となっている。そのため、Portable Media ImporterにCD-Rをセットした場合、自動起動により、画像観察Viewerが起動してしまうケースを体験した。もちろん、それ自体が問題となることではない(終了すればよい)が、臨床現場で実運用するためには、自動起動の有無や、同梱ファイルの種別を予め打ち合わせるか、CD-R自体に共通仕様説明表の様な記載を義務化するなどの工夫が必要と考えられた。

5.1.2 本実証の考察

実装検証委員からも指摘されたように、本統合プロファイルの臨床運用には、幾つか工夫しなくてはならない点が判明している。

(1) 持ち込まれるCD-Rの安全性:例えば、ウイルスに汚染されたファイルが書き込まれているCD-Rを持ち込まれるケース等。

(2) Portable Media Importerで、患者基本情報を上書きし、自施設のPACSに画像を収容するに当たり、表示された画像とORMにてOrder Fillerから連携した情報を、(別人と取り違うことなく)正確に操作可能な運用。

これらの問題に対する仕組みを確立せずに運用を開始すると、思わぬ問題が発生する可能性が推察された。

5.1.3 事業成果から期待される効果

電子情報の円滑な受け渡しが望まれる中、検査画像の提供を目的として標準的フォーマットで記録された、可搬媒体における相互運用性が実証されれば、多くの医療機関において採用が期待される。

また、可搬媒体の取り扱いや、自施設への取り込みに必要となるノウハウ等を検討しIHE-Jの委員会等にフィードバックすることで、オフラインメディアによる診療・画像情報提供の技術向上に資したと考えている。