バーチャル・ショウルームとは、本事業によって相互運用性が実現したマルチベンダ放射線部門システムの稼働状況等を、インターネットを通じて見ることができるようにするものを指す。
2.2.1 バーチャル・ショウルームの構成要素
バーチャル・ショウルームについては、マルチベンダのシステムが実に稼働していることを見学することに準ずる情報を得られるインターネットサイトの構築、これを公開できる状態にする環境、および見学者に対する説明小冊子に準ずるものをダウンロードできる実装とした。
2.2.2 バーチャル・ショウルームのリニューアル
バーチャル・ショウルームは、IHE-Jによる相互運用性の実現状況を広く発信可能な環境を維持すると共に、コンテンツの充実に向け、各機能の追加・設定作業と並行して行われた。
特に、バーチャル・ショウルームにおいては、相互運用性の概念や導入を検討する医療機関で初期に把握しておくとよい初等の情報について容易に得られるように、簡明かつ平易なインターフェース構造およびコンテンツ(情報)を持つようにした。
また、同ショウルームにおいては、実際のシステム導入に携わる中等および高等なレベルの医療情報システムの担当者や医療情報システム開発ベンダの技術者にとって有用な比較的高度な内容を、前段で述べた平易なインターフェース構造におけるホームページからリンクするセカンドページ以降で系統的に得られる工夫を施した。
2.2.3 バーチャル・ショウルームで公開される内容の留意事項
バーチャル・ショウルームで公開される内容については、埼玉医科大学が別途定める内部規定に準拠し、患者様個人のプライバシーや医療情報そのものは含まない事に十分配慮し、コンテンツを構成した。
2.2.4 バーチャル・ショウルームおよびリアル・ショウルームの役割と今後についての考察
本事業において、バーチャル・ショウルームによる情報発信は重要性が高い。特に、本年度の事業として重視したのは、リアル・ショウルームに来場して得られる情報と同様のものが得られ、その上で、バーチャル・ショウルームの特性を生かしてインターラクティブに情報を入手できるようにする工夫を加味している。こういったバーチャル・ショウルームの情報発信は、IHE-Jの導入する施設にとって必要度の高い情報取得源であるとの理解があるために行われるものである。実際に、どのくらいの医療機関ないしベンダが、実在する導入例における情報収集に役立てたのかは今後、バーチャル・ショウルームの機能の一部として明らかにしていく予定である。
今後の情報発信においては、本年度の実装後におこってくる問題点などの本施設の固有の情報を中心に構成するのは当然であるとしても、上述したような実装上の情報を得やすい機能を担うことにより、IHE-J全体の活動として行われているIHE-Jのサイト(http://www.ihe-j.org)等とは異なった意義を明確にしていきたいと考えている。