3.2.1 背景
現在埼玉医大で実働可能な、「レポート関連のIHE-Jガイドラインを利用した」システムは、平成16年度時点で検討に一定の目途がついていた、SINR統合プロファイルに基づくトランザクションを実装した各アクタと、RWF統合プロファイルのごく一部を実装したReport Managerのみである。
しかし、SINRは国内のレポートワークフローから考えると、主作業としてのワークフローを示したと言うよりは、レポート作成時に行われる一連の作業におけるエビデンス作成の一部でしかない。
今回我々は、IHE-J臨床企画委員会がRWF全体の国内適用を視野に入れた検討を開始したのに伴い、現在レポート作成上主軸となるワークフローについて、各アクタ間で必要となるトランザクションを、IHE-Jの枠組みに従い再構築することで、レポートワークフローそのものの相互運用性確保に寄与できると考えた。
3.2.2 実施内容
現在稼働中のシステムにおいて、RWF非対応のトランザクションを現時点で可能な限り再構築し、DICOM・HL7という標準規格に基づく連携実装を構築した。
具体的には、国内における臨床企画委員会の検討で、方向性の確認できているIHEにおけるRWF統合プロファイルのなかの、ユースケース3及び、ユースケース7について、再構築を実施した。
今回特に大きな変更点として、国内のレポート作成に関するワークフローについてのIHE-J委員会における調査から、レポートの内容確定に関する機能については、従前のImage Manager上への実装からReport Creator側への実装とすることで、より現在国内で行われているレポート作成手順に近づけた。
なお、画像配信と全く同様の技術を用いて、電子カルテとの連携を実現するため、レポートの到着に関する通知機能を、画像配信と同様の仕組みを用いて実装することで、より共通性を高める努力を行った。
3.2.3 稼動試験
(1)稼動試験
Report Creatorで作成したレポートについて、Report Managerに保存された後に、Report Creator上から再度呼び出し表示のうえ、最終確認作業を行い、Report Creator上で進捗ステータスを変更の上、承認済みレポートをReport Repositoryに保存可能な仕組みを実装することで、読影レポートの作成という一連の臨床的業務フローにより近づけたシステム構築を実現した。
(2)検証方法
外部の有識者を交えて以下の動作について実験を行い、指導・助言により、本実証上の改善点がないか検討した。